刺繍作家 高嶺 尚子

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日記

2020.07.20

音楽と刺繍

 

以前、「music」という絵を作ったときにも書きましたが、わたしは音楽に対して強い苦手意識があります。音感もリズム感もないし、音楽の知識もありません。

 

そんな中、むすめが年長のときからピアノを習い始め、2年目に入った今年の4月、オンラインレッスンに切り替わったとき、ピアノのレッスンには予習が必要だということに初めて気付きました。

 

それから毎週日曜日の朝、むすめとその週に練習する曲のペース配分や着地点など、作戦会議をして決めています。攻略法を一緒に考えて、練習して、少し揉めて、予定した着地点に到達したことを喜び合って、レッスンの日である土曜日を迎えます。

 

音楽の世界は、もっともっと手の届かないものだと思っていましたが、毎日積み重ねて出来ていくものなのだと、楽譜と向き合うむすめを見て初めて感じました。毎日刺繍をして、絵を作っていくことと、そこまで変わりはないのかもしれないとも思います。

 

むすめがこのまま続けていけば、そう遠くはないうちに、攻略法を一緒に考えることが出来なくなります。かなり怪しいわたしの音楽知識と、スマホで調べた知識だけでは、戦力にならない時が来るのは確実です。直接的な力にはなれなくても、日々地道に積み重ねていくことの大切さだけは分かるので、それを伝える術を考えていきたいなと思っています。

 

この先、音楽や美術でなくても、自分の生活に溶け込むぐらい毎日積み重ねていけることに、むすめが出会えたらとても幸せです。