刺繍作家 高嶺 尚子

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日記

2020.07.06

不思議な体験

 

わたしの夫は、朗らかで陽気な人です。面白いことがあれば大きな声で笑い、横になるとすぐにグーッと眠り、ご飯をいつも美味しそうに食べてくれます。気持ちの裏表がほとんどありません。

 

幽霊や怪奇現象と対極にいるかのような性格の夫ですが、10代後半から20代後半まで数々の不思議な体験をしていて、何度聞いても怖くなります。夫自身は、特別怖がることもなく、そういった現象を否定も肯定もしていません。

 

わたしは子供の頃から、怖がりなくせに妖怪や幽霊に興味があります。小学生のときは、ノストラダムスの大予言や怖い漫画を恐る恐る読んだり、心霊写真を薄目で見たりしていました。色々な本を読んで、恐ろしい妖怪を回避する方法もたくさん覚えました。今でもときどき怖い本を読みます。でもそれらは全部、空想の世界で完結し、実生活で不思議な体験をしたことは1度もありません。

 

体験したこともないし、見たこともないので、本当に幽霊がいるのか、科学で説明できないことが起こり得るのか分かりませんが、朗らかな夫の怖い話を聞くと、やっぱり色々なことがあるのかもしれないなという気になります。願わくば、夫にはわたしより後に幽霊になってほしいけれど、もしわたしより先に幽霊になる事があったなら、真っ先にわたしの目の前で、その存在を証明しに来て欲しいなと思います。