刺繍作家 高嶺 尚子

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日記

2019.12.30

縫うということ

 

布に針を刺すのが大好きです。刺繍で描くことも物凄く好きですが、糸でただ縫うこと自体がとても好きです。

 

小さな頃から、絵を描くことが好きでした。初めて、縫うことを知ったのは小学3年生の頃でした。

 

親の仕事の都合で、幼稚園の年中のときと、小学2年の冬に、転園転校をしました。兵庫から鹿児島に、鹿児島から神奈川にと、方言が強めの地方から地方への引っ越しだったため、その土地の言葉に慣れるまで非常に苦労しました。小学3年生のとき、国語の授業の音読で笑われたことで、それまで我慢してきた全てが嫌になり、しばらく学校へ行きませんでした。休んでいた間、母に勧められ、一緒に手を動かして雑巾を作りました。

 

縫うことで心が癒された訳ではなく、母と担任の先生のおかげで、また学校へ通うことができました。しかし、縫うということが、わたしの心の奥に響いたのもそのときだったのだと思います。

 

それから、絵を描いたり作ったりして生きていきたいと思い入学した美術大学での、最初の課題も最後の卒業制作も、糸で描く作品を作りました。今も描くことと同じぐらい、縫うこともわたしには大切なことです。2020年も変わらず大切にしていけたらと思います。

 

今年もわたしのSNSなどをご覧くださり、ありがとうございました!!来年もどうぞ宜しくお願い致します。皆さまも良いお年をお迎えください。